スペイン旅行記 その後④ スペインバル
5月3日
気持ちよく朝、目が覚めると、時刻は15:13だった。
昨日の会合で、ようやく例のあれがなんであるかがわかり、安心した私である。
お酒を飲みにいった場所がスペインバルだったのも、よかったのかもしれない。
友人に見せて、「よくわからない」と言われた時には、焦って、走って、遅れたことを全力で謝罪したことを少し後悔したが、
そのバルの店員さんに見せると、「ドーハの空港で会った、アニタです、って書いてあります」とのことだった。
このバルを選んでくれたのは外国通の友人だったので、またすぐにこの外国通の友人を尊敬のまなざしで見てしまった。
店内はスペインの国旗やお酒、アンティークな調度品とハットやベレー帽が棚に陳列されているBARで、
なんとも懐かしい雰囲気がした。
周りを見ると、外国人の方も多くいらっしゃって、あちこちから英語やスペイン語が飛び交っている。
空席が3席ほどしかないので、おそらくこの界隈では人気店なのだろう。
私もすごく気に入ったので、また来ようと思ったほどである。
店内に2台ある大きなテレビにサッカーの試合の様子が流れていた。
普段はあまりサッカーの試合を見たりすることはないのだが、こういう場所では、なぜだか見てしまう。
友人との会話はそれなりにあるのだが、目線はテレビの方を向いている、そんな感じだ。
そのテレビの前を店員さんが通ると、自然と目が追いかけてしまう。
どうやら英語とスペイン語が出来るらしく、客と時々会話している。
友人のハイボールがなくなったので、その店員に声を掛けると、すぐに来てくれて、空のグラスを持って行ってくれた。
すでに友人は酔っていたので、その快活な店員さんに声を掛けるなど、造作もなかったようだ。
もらったメモ用紙と借りたペンでアドレスを紙に書き、店員に渡すと、今度は私のも、と勧めてくる。
酔っぱらいにこんなものをもらっても良い気分ではないだろうと思ったが、その場の雰囲気で私も渡す事に。
表面的には快くもらってくれたように見えた。
店を出ると、スマホが鳴ったので、画面を見る。
LINEアイコンに1と表示されていた。
このメールがどのようなものか分かっている私は少しわくわくしている。
アニタの顔を思い出そうとしても、なかなか出てこないが、このメールを見れば、なにか思い出すかもしれない。
友人がもう1件というので、今日のところはそれを見ずに、次に向かった。
この店を選んでくれた友人。
なんとも愉快なやつである。