スペイン旅行記 アートな街バルセロナ

初めての海外旅行でスペインを選んだ理由はガウディ建築を見る為!出会った建物群の感想と旅行中の出来事を書いていきます!

スペイン旅行記 23日目。 手間をかける 単純と複雑

4月23日

 

手間をかけること、その意味と価値。

 

そのことに気付く事が出来たのは、この旅をして、良かった事の一つだった。

 

例えば何か一つの箱を作ったとする。

 

それ単体ではただの箱だが、それを100個高く積み合わせたらどうだろう?

 

〇〇の塔、とか言う名前がつくかもしれない。

 

その箱をドーム状に積み重ねたら、そこには空間ができる。

 

〇〇の部屋、とか言う名前がつくかもしれない。

 

その箱が、もし、光る箱ならどうだろう。

 

それを決まった間隔で置き、光る色を変えて、上空から見てみる。

 

それの画は、〇〇の絵、と言われるかもしれない。

 

ただの一つの箱をいくつも用意し、集合体として、一つの対象にする。

 

そうすることで、箱という存在から、別の存在に生まれ変わる。

 

手間をかけ、時間をかけ、仕掛けを模索し、ガジェットを組む。

 

表現するとはこういうことなのだと気付くことが出来た。

 

出来上がった全体を見ると、そこに時間を感じてしまう。

 

それも、途方もないくらいの時間だ。

 

だから、圧倒される。

 

自分には、これを作ることは、無理だ、と思う。

 

でも、細部に目をやる。

 

すると、そこ存在しているのは、実は一つの箱なのだ。

 

誰もが作れるような、弱い箱。

 

それだったら、自分にも、そんな錯覚を起こしてしまうくらい弱い存在が、確かにそこにある。

 

一つで無理なら、100個用意すればいい。

 

100個で無理なら、10000個。

 

そうして、時間を刻みながら、一つの集合体を作る。

 

そうすることで、出来上がる物は、もはや一対象物ではなくなるのかもしれない。

 

絵画を見て、感動する人がいるように、建物を見て、泣くひともいるかもしれない。

 

小説を読んで、流す涙と、漫画を読んで、流す涙の違いってなんだろう。

 

ドラマを見ても、映画を見ても、涙は流れる。

 

日常にもそんな絵は出てくる。

 

フィクションでもノンフィクションでも、そこにある一瞬が、ひとそれぞれ、必ずある。

 

それを切り取れるかどうか。

 

そこに気付いてもらえるかどうか。

 

しかし、完全ではない。

 

絶対という概念はそこにはないのだ。

 

だからこそ、表現方法は無限にある。

 

そんなことを考えながら、過ごしていると、ふと出会うことがある。

 

そうだ、動物にだって、その瞬間はあった。

 

まだその瞬間を、実際に体験したわけではないけれど。

 

ウミガメとかも確か泣いていたはずである。