スペイン旅行記 20日目。 3週間
4月20日
とうとう20日目だ。
あと一日で3週間である。
日本を旅立った日から換算すると、もう3週間経った計算になる。
ここバルセロナは飽きない。
生まれて初めてこの地を踏んだ瞬間から、周りの景色の豪華さに心を奪われた私は3週間経っても、まだその景色に馴染めていなかった。
それくらい私には今までの環境との落差があったのだ。
3週間程度では埋まるはずもないくらいのギャップだ。
フォークボールで例えると、もう投げ出した瞬間からボールが地面を叩く、そんな感じである。
それはただの暴投だ、とか、地面にストレートを投げてる、とか、そういう意味ではなく。
本当にそれくらいのギャップがあった。
滞在期間まであと10日と迫っていたため、そのギャップをなんとかして埋めようとした私だったが、
焦ってもなにも出来ない、むしろ、自体はかえって悪い方向にしか向かないことを知っている私もいたので、
今日も至って普通に過ごす事に決めた。
目的地である例の公園に向かう。
目的地に到着すると、もはやここは私以外座らないのでは?と常々思っている、草臥れたベンチに腰を下ろす。
定位置につくと、リュックの中から、教科書を取り出し、勉強を始めた。
しばらくして、目を開けると、2時間ほど時間が経っていた。
お腹がすいたので、その近くにある、バルに向かった。
昼間は美味しいバケットを売りさばいているバルである。
そこのコンボ(日本で言うセットのことである)を頼み、昼間からビールを頂く。
お腹もいっぱいになったところで、店主と数分会話。
満腹感に加え、満足感も高まったところで、店を出る。
もう一度、先ほどまでいたベンチに戻り、座る。
気温はそれほど高くなく、湿度も落ち着いているバルセロナの気候は、勉強するにはもってこいだった。
しばらくして、瞼を開くと、2時間が経過していた。
今日も気持ちよかった、と、ホテルに戻り、今日あった夢のような体験をスケッチすることに決めた。
道中、目薬を横断歩道の途中で落としてしまい、それを地元の若者が「落としましたよ!」と声をかけてくれた。
「グラシアス!」と感謝を伝えると、「デ ナダ!」と返してくれた。
ここはなんて素晴らしい環境なんだ!と感動していると、私の顔を見てくる人が、さっきより増えている気がした。
たぶん皆、私がまた目薬を落とさないか、気をつけて見てくれているのだ。
良いところだなぁ、バルセロナ。
にやにや。