スペイン旅行記 13日目。 唯我独
4月13日
今日も午後からシウタデヤ公園で勉強。
シウタデヤなんていうからには完全に日本的なものはなく、異国の、それもバルセロナなら、
彫刻や現代アート作品のひとつやふたつは点在しているだろう、と、初めてこの公園を地図で見つけたとき、思った。
実際にあった。
自分の感覚に驚いた瞬間がまたも訪れた。
やはり異国の地はいい。
インスピレーションというか感というか、そういう超自然的な、人工のものが何一つ混入されていないようなものが時々現れる。
いや、私自身、人間なので、そこから生まれるということは、もはや自然的なものでは全くなく、人工そのものといっても過言ではないのだろうけれど。
とにかく、そういったものに、それこそ毎日といっていいほど、出会っていた。
かの偉人のような「発見」とはいかないまでも、庶民的な「気づき」が自身の周りに点在していた。
一人だったのがよかったのかもしれない。
もし二人やそれ以上の複数人とその環境に置かれていたとしたら、そんな偶然ともいえるような現象はあり得なかったかもしれない。
これは過言だ。
可能性としたら十分にありえるし、そもそも、二人かそれ以上の複数人とそんな環境に置かれたことのない私が言って良い言葉ではなかった。
むしろ、そういう組み合わせで行ってみたいという気持ちもある。
そういう気持ちのほうが強いくらいだ。
要するに、一人より二人のほうが楽しいし、それよりも多い人数のほうが思い出がたくさん作れるだろう、と思っている。
ただ、人見知りで、コミュニケーション能力の低い私が二人よりも多い複数人、例えば5人とかで旅をするなんてありえない話だが。
うん、まぁ、4人なら大丈夫だが。
4人といえば私の友達と言える人間の数なのだが(もっとも私を除けば3人である)、実はスペインに行くことを黙っていた。
なにか意図的なものがあるのではなく、ただただ黙っていた。
壮行会のようなものもなく、スペインに行った。
大げさな気もするだろうけれど、それでも、会社を辞めてまで、行きたかった場所なので、それなりに行く前は準備をしてきた。
スペイン語の勉強しかり、バルセロナの風土・文化しかり、バルセロナの食べ物検索しかり。
期待を背負えるだけの大きさにまで膨らませて、今回来た訳であるが、どうしてかそれを友人たちに言う気持ちがなかった。
「行ってきます」なんて言っても「?」と困らせるだけだろうから、とかいう変な理由もなく。
なぜ言わなかったのかを自分の内でぐるぐると巡らせてみた結果、多分私は一人が怖いのだ、という結論に至った。
自分一人で行動するのが主な私が、一人が怖いとはなんという勘違いなのか、とも考えたが、おそらくそういうことで正しかった。
ホームシックにはかからなかったが、ケータイのfbを開くことは毎日かかさなかった。
訪れた場所の風景を写真に撮り、fbに載せることを日課とするほどに、友人たちとの目に見えないつながりを求めていた。
fbに写真を載せたことで、ようやく友人たちも私の愚行に気づいたわけだが、その時の反応が面白くて、今でも忘れられない。
「自分どこにおんの?」
まるっきり平穏な日常である。